厚生労働大臣と被団協の定期協議ひらかれる
「司法と行政は違う」の姿勢は変わらず
被爆二世の健康診断は「実施状況を調べる」と回答

 麻生太郎首相(当時)と日本被団協代表との間で2009年8月に取り交わされた「確認書」に基づく厚生労働大臣と日本被団協、集団訴訟原告団、弁護団との第6回定期協議が、2017年12月4日に厚生労働省内でおこなわれました。
 この協議の焦点は「確認書」にある「訴訟の場で争う必要のないよう、定期協議の場で解決をはかる」こと。しかし加藤勝信大臣は歴代大臣と同様に「司法と行政は違う」という姿勢を変えず、核兵器禁止条約を日本政府が支持するように厚労省が先頭に立って政府に働きかけよという要請には「外務省の管轄」と述べるにとどまりました。
 厚労省からは大臣と健康局長ら6人、被団協からは田中煕巳代表委員ら7人、原告団からは山本英典団長ら5人、弁護団からは宮原哲朗集団訴訟全国弁護団連絡会事務局長ら3人が出席。傍聴席には東京の被爆者と被爆二世、支援団体の人びとら80人が詰めかけ、協議は、被爆者側の発言それぞれに大臣が答える一問一答方式で進行しました。
 被爆体験は東友会の大岩孝平代表理事(広島被爆)と埼玉県の久保山榮典さん(長崎被爆)が担当。大岩代表は被爆者救援にあたった経験、久保山さんは父親の遺体を火葬にしたときの経験や親族のがん死について語りました。大臣は「強烈で悲惨なお話をしっかり受け止めた」と答弁。
 宮原弁護士が提起した「被爆者の統一要求」には「被爆者援護の立場で被爆者に寄り添う気持ちを基本に対応していきたい」とのべた一方、法改正、認定基準の再改定の考えはないと答え、原告団の要請には「認定審査を迅速に丁寧に対応する」「定期協議には被爆者に寄り添って対処したい」などと回答しました。
 今回の大臣の答弁では、被爆二世である柿田富美枝日本被団協全国理事が求めた「被爆二世の健康診断の改善」について、各県の実施状況を調べると回答したのが、唯一の具体的なものでした。
 最後に被団協の藤森俊希事務局次長が「定期協議は年に1回は開くと言いながらこの8年間で6回しか開いていない。『確認書』の趣旨を実行してほしい」と要望。大臣は「原爆症認定をはじめ援護行政を進めるうえでしっかり対応し、年に1回は協議をやるようにしたい」と答弁し、閉会しました。

一列に横並びの机で席に着き、大臣らを魅する交渉団、写真には8人が写っており、うち一人は起立して発言しており、メモを取っている人も。机にはマイクが設置されている。
日本被団協の交渉団
交渉団の後ろ、横並びに何列にも並んでいる座席につく傍聴者たち。マスコミ関係者と思われる、長い柄のついたマイクをもつ人も奥に写り込んでいる。
傍聴に参加したみなさん
起立して発言中の厚労大臣
加藤厚労大臣