原爆被害は絶対に受忍できない
被爆者の"憲法"「原爆被害者の基本要求」を学ぶ

 東友会は毎年、時宜に適うテーマで学習会を開いています。2017年11月16日の学習会のテーマは被爆者の「憲法」と言われる「原爆被害者の基本要求」。被爆者の平均年齢が80歳代となって、参加者数は以前の半分以下になりましたが、被爆者、被爆二世、遺族など39人が参加し、熱心に学びました。
 講師は、「基本要求」の案を起草し、半年間にわたり全国から寄せられた意見を盛り込んで、明快にしかも短い文章にまとめ上げた当時の日本被団協事務局次長、吉田一人さん。吉田さんは、「原爆被爆者の基本要求」とせず、原爆の犠牲者は当事者だけではないことから、家族を含めた「原爆被害者の基本要求」と名付け、原爆死没者への補償を求める内容としたことを説明し、講演をはじめました。
 1970年代後半からの世界的な反核運動と国家補償の被爆者援護法制定への世論の高揚におされた政府が、厚生大臣(当時)の私的諮問機関として原爆被爆者対策基本問題懇談会(基本懇)を設置し、「国をあげての戦争による被害はすべての国民が等しく受忍しなければならない」という結論を打ち出して、被爆者や一般戦災への国家補償を否定したこと、原爆被害については「放射線による特別な被害」だけを認めるとしたことなどを詳細に講演。「戦争被害を受忍せよ」という国の政策を打ち破るために、「基本要求」を策定した経緯、現行の被爆者援護法が「国家補償」の法ではないことも説明しました。
 つづいて、東友会執行理事の山本英典さんが、被爆者援護法制定運動をすすめた当時の日本被団協事務局次長として、「基本要求」実現のために東友会が果たした役割について報告。日本被団協事務局員として「基本要求」の策定に係わった栗原淑江さんも全国討議の様子を報告しました。
 生後8カ月で母親を直爆のため失った被爆者は、「基本要求」の内容をはじめて知って「質問したくても頭が混乱して整理ができない。パンフレットなどを再度読み直して考えていきたい」と発言していました。

三人掛けの広い机が並べられた部屋、着席し資料を見たりメモを取りながら話を聞く参加者たち
講師の話を熱心に聞く参加者のみなさん
講師の写真。立ってマイクを持ち講演している吉田一人さんと、隣で着席し資料に目を落としている山本英典さん
講師の吉田一人(左)さんと山本英典さん

「基本要求」パンフレット ぜひご一読を

「基本要求」パンフレット 表紙

 「原爆被害者の基本要求」の全文が掲載されたパンフレットです。  国が受忍論を打ち出した「基本懇意見」の全文のほか、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」制定時の国会答弁など、重要な資料が載っています。活字も大きく、読みやすく編集された1冊です。
A5判56ページ。日本被団協発行。頒布価格200円(掲載時)。