ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟控訴審
ますます高齢化する原告たち 国は潔く原爆症と認定を

第1次訴訟が結審 判決は2018年3月27日

 ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟の控訴審が2017年11月14日に結審し、2018年3月27日に判決が言い渡されることになりました。判決日は奇しくも、6年前に19人が東京地裁に集団提訴した日と同じ。結審の日に法廷まで足を運べたのは6人の原告のうち、わずか2人になりました。
 42人が傍聴した最終弁論で原告の武永猛さんは、自分の薬をとりに広島の中心地に向かった母が無惨な姿で亡くなった有様と、72年間、母が自分のために被爆したことを弟妹に話せなかった苦しみ、原爆症の認定を求める心筋梗塞の病状を切々と陳述。
 つづいて坂田洋介弁護士が結審に際して提出した2017年8月6日に放映されたNHKスペシャル「原爆死ヒロシマ72年目の真実」のDVDの内容と被爆者が受けた生涯全体にわたる物理的、社会的な被害を紹介し、「原爆症認定には被爆の実相を理解することが絶対に必要」と陳述しました。
 最後に、弁護団事務局長の中川重徳弁護士が、6人の原告一人ひとりの凄惨な被爆状況とその後被害をあげて、被爆者切り捨ての法律論を振りかざす国の姿勢を厳しく糾弾。国側証人の医師による誤った主張についても疾病毎に指摘し「核兵器禁止条約が締結されるときに、被爆国日本では、被爆者が原爆被害と戦後の人生を否定されている。これが許されないと法論理で明らかにしてほしい」と裁判官に要請しました。
 法廷終了後、参加者は参議院議員会館に移動し、報告集会が開かれました。ここでは、原告の坂本治子さんが感謝を述べ、内藤雅義弁護団長らがこれまでの裁判の推移と情勢を説明。東友会の大岩孝平代表理事が「6人の原告全員の勝訴を確信して、判決の日も法廷を埋め尽くそう」と決意を表明し閉会しました。

法廷のスケッチ。高い位置の席に座る裁判官2人、その正面にある証言席に座る原告、証言席を挟んで向かい合う形の国側・被爆者側の席が描かれている。
11月14日の法廷で被爆時の様子と心情を語る原告(スケッチ:石飛公也)
広い部屋に並べられた机に着席し報告を聞く参加者たち
11月14日の報告集会

原爆被害を過小評価する国の主張を批判
第2次訴訟 原告側弁護士が意見陳述

 2017年11月1日、ノーモア・ヒバクシャ東京第2次訴訟控訴審の弁論が東京高裁で開かれ41人が傍聴しました。
 第2次訴訟の原告は、山本英典さん以外について国は全員原爆症と認定しましたが、山本さんについてだけ、慢性心不全を原爆症と認めた東京地裁の判決を不服として控訴したものです。
 今回の弁論は森孝博弁護士が意見陳述をしました。
 森弁護士は、原告の被爆線量は、「航空機でニューヨークを往復する程度しかない」とする国側の主張は、過去に原告の胃がんや大腸がんを原爆症と認定したことと矛盾すると指摘。安定狭心症は、心筋梗塞と同じ動脈硬化が原因であり、動脈硬化は放射線被爆の影響を受けることが被爆者調査研究の到達点であるなどと国側の主張を明快に批判しました。
 参加者はその後、参議院議員会館の会議室に場所を移して報告集会おこないました。
 次回2017年12月4日の法廷は双方の医師の証人尋問が予定されています。

広い部屋、立ってマイクを使って報告する弁護士と、並べられた机に着席し報告を聞く参加者たち
11月1日の報告集会