「放射線被ばく」をテーマに 2017年度東友会医療講演会
台風接近のなか34人が参加

 台風23号が接近して大雨となった2017年10月29日、2017年度の東友会医療講演会がTKPガーデンシティ御茶ノ水で開かれ、34人が参加しました。
 講師は、放射線医療に造詣が深く、原爆症認定訴訟の証人としても活躍した、福島医療生協わたり病院の齊藤紀医師。「被爆者の放射線被ばくについて」のテーマで講演しました。
 齊藤医師は、20世紀にあった2つの世界大戦で、非戦闘員を含む大量殺戮の傾向と核物理学の軍事利用が強まった流れを指摘。アメリカのマンハッタン計画と日本への原爆投下など、歴史的経過をおさらいしたあと、原爆被害のうち、とくに放射線の影響について話しました。
 原爆による即日死亡の8割は火傷によるもので、2週間以上生き延びた人たちが、白血病、甲状腺がん、胃がん、骨髄腫といった晩発性の放射能障害に苦しむことになったと説明。被爆二世への影響という点では、両親がそれぞれ1シーベルトの被爆をした場合、被爆していない親から生まれた子と変わりはない、という50年間の疫学調査の結果を紹介しつつ、人類が初めて経験した原爆なので、これから先の影響はまだ判らないことがある、とも話しました。
 最後に、いま生きている被爆者が、「人間らしく生き、人間らしく死ぬ」ことを切に望むと結びました。
 参加者からは、「大きな視野で見て、細かく考察する姿勢は、被爆証言をするときに大切だと感じた」「人間として生き人間らしく死ぬ、というメッセージを重く受けとめた」などの感想が寄せられました。

大きいスクリーンが提げられた広い部屋、スクリーンに投影されたスライドを示しながら話す講師と机に着席しメモを取るなどしながら聞く参加者たち
スライドを使って詳細に解説
講師の齊藤紀医師