国側証人「原爆被爆者を治療したことはない」「原爆関係の資料は見たこともない」……
ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟 控訴審
被爆者側・国側の証人を2日間かけ尋問

 ノーモア東京訴訟第1次訴訟の控訴審の証人尋問が、2017年7月20日と25日の両日午前10時から午後5時まで、東京高裁でおこなわれました。
 20日は高裁で下咽頭がんとバセドウ病に関する証人尋問でした。
 国側の証人は、永山雄二長崎大学教授と絹谷清剛金沢大学教授。それぞれ甲状腺疾患の研究者として、放射線の影響でバセドウ病は発生しないと述べました。
 これに対して芝田佳宜弁護士と安原幸彦弁護士が反対尋問を担当。証人から「原爆被爆者の治療に当たったことはない」「放射線影響研究所の研究成果ふくめて原爆関係の資料を見たこともない」という証言を引き出しました。
 3人目は被爆者側証人の聞間元医師。全日本民医連の被爆問題委員会に16年間携わってきた経験をもとに、低線量被曝が免疫に影響を残していること、放射線の影響は未解明で、他に有力な原因がなければ、被爆者への被爆線量の影響を否定することはできないと明言しました。
 25日の証人尋問は脳梗塞、心筋梗塞・心疾患についての審理。国側から篠原幸人東海大名誉教授と前嶋康浩東京医科歯科大病院講師、被爆者側から全日本民医連の真鍋穣医師が証言しました。
 篠原証人と前嶋証人は、脳の血管と心臓の血管は組成が違うとか、生活習慣、飲酒、加齢による高血圧が原因になっている患者がほとんだと述べ、原告も、この例外でないと証言しました。
 森孝博弁護士が反対尋問に立ち、放影研や国連などの調査に基づいて質問。証人は「初めて見た」「専門でないから答えられない」などの回答を引き出しました。
 被爆者側の真鍋証人は、宮原哲朗弁護士の質問に、心疾患には放射線の影響が大きい、最近の原発労働者に対する調査でも明らかになったことなどを明快に証言。国側の反対尋問にたいしては、英訳の誤りも指摘するなど学識の深さを示しました。

法廷のスケッチ。高い位置の席に座る裁判官2人、その正面にある証言席に座る証人、証言席を挟んで向かい合う形の国側・被爆者側の席が描かれている。被爆者側の席では、弁護士が紙を持って立ち、証人に質問している。
7月25日の証人尋問の様子(スケッチ:石飛公也)