ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟控訴審 国側の証人を尋問
放射線の影響コメントできない

 ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟は、2015年10月、東京地裁が原告17人全員に勝訴判決を言い渡しました。しかし6人について、厚生労働省が控訴したため、高裁での審理が続いています。
 第1次訴訟の山場となる専門家による証人尋問が2017年6月22日と7月20日、25日の3日間おこなわれ、下咽頭がん、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、脳梗塞、心筋梗塞について審理されます。
 国側が推薦した4人は、いずれもそれぞれの病気の専門医ですが、原爆放射線についての理解はほとんどないという方がた。被爆者側弁護団は2人の医師を証人に立てて、これらの専門医の証言に対抗することにしています。
 6月22日の尋問は50の傍聴席を埋め尽くした被爆者と支援者の前で、小杉正毅さん(広島被爆)の下咽頭がんについて、国立がんセンターの林隆一医師が証言。小杉さんの「下咽頭がんは飲酒と喫煙が原因」で説明がつくと断言し続けました。
 被爆者側弁護団の坂田洋介弁護士が、「放射線影響研究所の被爆者研究のデータを知っているか」と質問すると「知らない」と答え、「放射線の影響につては専門でないからコメントできない」と言葉を濁しました。
 証人尋問後、弁護団は「原爆の影響について何も知らない医師に、一般的ながん発生の仕組みと治療経験を証言させただけ」と、国の姿勢を厳しく批判していました。
 最大の山場となる証人尋問は7月20日と25日、午前10時から午後5時まで。両日で国側4人、弁護側2人への証人尋問が、東京高裁824号法廷で開かれます。

法廷のスケッチ。高い位置の席に座る裁判官3人、その正面にある証言席に座る証人、証言席を挟んで向かい合う形の国側・被爆者側の席が描かれている。被爆者側の席では、弁護士が紙を持って立ち、証人に質問している。
国側証人への尋問がおこなわれた東京高裁の法廷(スケッチ:石飛公也)