被爆者が世界に訴えるべきことは
緊急学習会「いまなぜ核兵器禁止条約か」開かれる

 2017年4月20日、東友会事務所のある平和と労働センターホールで、「いまなぜ核兵器禁止条約か」と題した緊急学習会が開かれ、被爆者や被爆二世、関係団体などから63人が参加しました。講師は、ノーモア・ヒバクシャ訴訟の東京弁護団長でもあり、核兵器をめぐる国際情勢に詳しい内藤雅義弁護士。内容の濃い学習会となりました。

 2017年3月27日にニューヨークの国連本部で始まった「核兵器禁止条約」の交渉会議で、日本政府は、今の時点で条約を論ずることは「核兵器保有国と非保有国の対立を一層深めることになるという意味で逆効果になりかねない」と、2日目からの会議に不参加を表明。“唯一の戦争被爆国・日本政府が交渉会議をリードしてほしい”という被爆者の願いは踏みにじられました。
 一方で、北朝鮮の脅威などから「今すぐ条約を制定するのはマイナス」という政府の主張に一定の理解を示す声もあり、「核兵器禁止条約についてきちんと勉強しよう」と開かれたのが、この学習会でした。
 内藤雅義弁護士はまず、核不拡散条約(NPT)の調印・発効から今日までの加盟国・非加盟国の状況を説明。国際司法裁判所の勧告的意見、NPT運用会議や核兵器の非人道性声明とそれに関連する国際会議、国連の公開作業部会とその報告等について、歴史的順序を追ってそれらの成果と限界を説明しました。
 その上で、今回の第1会期での会議の模様を詳しく説明。核兵器禁止条約の理念や各国政府の代表的な意見などを紹介しました。
 とりわけ、第1会期の会議冒頭に被爆者の発言がおこなわれたことは、核兵器被害の真実を交渉の前提にすえた意味で画期的だったと強調。対照的に、ハイレベル・セグメント(閣僚級の会議)で唯一否定的発言をして不参加を表明した日本政府が、国際的に顰蹙(ひんしゅく)をかった状況がリアルに語られました。
 条約案については、前文に「ヒバクシャ」の文字が記されること、核兵器の使用・開発・生産・運搬・配備・勧誘・融資の禁止などの幅広い禁止条項を有するといった前進面がある半面、禁止の検証措置がないことなどの弱点も指摘。条約をめぐる様ざまな論点についても客観的に解説し、それぞれの主張の特徴を紹介しました。
 参加者から活発な質疑がおこなわれ、それらに答えた内藤弁護士は、「核兵器の非人道性を明らかにするため、被爆者のみなさんが、何が非人道であったのかしっかり訴えてほしい」と結びました。
 「ヒバクシャ国際署名で国際世論を喚起しよう」「核兵器は絶対的な非人道兵器です。核の傘であっても、核兵器に依存すべきではありません」など、参加者の感想が寄せられました。

会場前方、演台側からの写真。講演する内藤弁護士と、それをきく参加者たち。
被爆者の果たす役割をあらためて確認できた学習会
講師:内藤弁護士