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知っておきたい放射線の豆知識 第2回 放射能は確率現象
放射化学者 佐野博敏

 「アナログ」「デジタル」という区別がある。前者は連続的な現象を対象とし、後者は不連続な現象を対象とする。前者の例には、時間や温度があり、1秒や1℃の間にも無限に小さい時間差や温度差が連続していると考えられる。後者では、人数のように、ある値と次の値の間は不連続で、10人、11人…と数えられるが、10.1人、10.2人という半端な人間の存在はない。
 放射性原子核も、崩壊するかしないかは、存在・崩壊の確率であり「デジタル」的な現象だ。
 その崩壊は一定期間に放射性原子核の総数が半分、次の一定期間にまたその半分になるという単純な確率的減衰をくり返し、当初の放射性原子核の総数が0になるまで続く。このくり返し半減する時間を「半減期」といい、放射性核種ごとにその値は定まっている。
 経産省は2011年8月、福島第一原発1~3号機からの大気中放射性物質放出量はセシウム137が15×1015ベクレルと発表した。この全量が0になる期間は、セシウム137の半減期30年で計算すると、30年を54回くり返した1620年となる。しばしば「放射能はその半減期の10倍経てばほとんど無害」といわれるが、それは(1/2)10=1/1024で約1000分の1になるのみであり、当初の量が多ければ、全体の減衰消滅には、全量に応じて、より多くの年月が必要である。