声明 ノーモア・ヒバクシャ訴訟東京2次高裁判決について

2018年12月14日
厚生労働大臣 根本 匠 殿
ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団
ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団連絡会
日本原水爆被害者団体協議会
一般社団法人東友会(東京都原爆被害者協議会)

1 本日、東京高等裁判所第23民事部(垣内正 裁判長・髙宮健二 裁判官・廣澤諭 裁判官)は、ノーモア・ヒバクシャ東京2次訴訟控訴審において、国が唯一控訴して争っていた一審原告 山本英典さんについて、国の控訴を棄却する勝訴判決を言い渡した。本日の判決により、東京のノーモア・ヒバクシャ訴訟は、第一次訴訟及び第二次訴訟をとおし、原告らが一・二審を通じて全員が勝訴した。

2 東京高裁は、国が積極認定対象とせず、放射線起因性を争った狭心症について、ノーモア・ヒバクシャ訴訟の高裁段階ではじめて放射線起因性を肯定し、放射線被曝と狭心症との関連性については「0.5グレイを相当程度下回る値まで肯定することができる」と判示した。

3 また、国は、他原因をもって放射線起因性を否定することを試み、専門家証人をたてて執拗に争ったが、本日の判決は、「被控訴人の狭心症が専ら原子爆弾放射線以外の原因によって発症したことを疑わせる事情は認められない」として国の主張を退けた。

4 本日勝訴した一審原告 山本英典さんは、この間入退院を繰り返す中裁判をたたかってきたものであり、本日の判決に対して上告してさらに裁判を強いることは絶対に許されない。

5 厚労省は「新しい審査の方針」を策定し、国は2009年8月6日、「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」を締結して「訴訟の場で争う必要のないように、定期協議の場を通じて解決を図る」ことを被爆者代表と約束した。それにもかかわらず厚労省は、みずから策定した「新しい審査の方針」の運用を狭めたため、全国の被爆者はノーモア・ヒバクシャ訴訟を提起してたたかってきた。
 きたる12月20日に開催される被爆者と厚生労働大臣との定期協議においては、国が、この判決を尊重し、上記の約束を実現することを強く求める。

6 原爆投下から73年を迎え、昨年は、核兵器禁止条約が採択された。いまこそ、原爆症認定問題を最終的に解決すべきである。我々は、国に対し、これまでの多くの判決、とりわけ本日の判決の趣旨に沿って「当面の要求」を受け入れ原爆症認定制度の抜本的な改善を行うことを求める。
 また、国が、16万余の被爆者の命あるうちに、原爆被害に対する償いを果たし、核兵器禁止条約を批准し核兵器廃絶に向け主導的役割を果たすことを強く求める。

以上



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