2014年発表の抗議・声明など

米国のZマシンによる核実験に抗議します

2014年11月6日

アメリカ合衆国大統領
バラク・H・オバマ 殿

一般社団法人 東友会
(東京都原水爆被害者団体協議会)

 アメリカ核安全保障局は、9月4日と10月3日にZマシンを使った核実験をおこなったことを明らかにしました。
 私たち原爆被爆者は、広島・長崎で原爆被害から69年過ぎた今までも、原爆爆放射線による後障害に苦しんでいます。同時に、子ども、孫への影響に不安を抱いています。私たち被爆者は、核兵器の使用につながる核性能実験を許すことはできません。
 私たちは、あなたがプラハでおこなった「核なき世界」の実現を歓迎し、「生きているうちに核兵器のない世界が実現する」という希望を抱いていました。しかしあなたはその後も核兵器の保持をつづけ、廃絶への手立てをとってこられませんでした。私たちは口先だけの「核なき世界」核廃絶に、強く抗議します。
 いま世界では、核兵器の非人道性に着目し、いかなる状況下であっても核兵器が使われないことが人類の生存にとっての利益であるとの考えのもと、すみやかな核兵器の廃絶を求める声が高まっています。このような情勢のなかで、貴国が核兵器の使用を前提とする確証実験を行ったことに対して、私たちは深い悲しみと憤りを持って抗議し、以下について要求します。

  1. 2000年NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議で合意し、2010年の会議で再確認した「保有核兵器の全面廃絶を達成するという明確な約束」を誠実に履行してください。
  2. あなたが2009年4月のプラハ演説で言及し、ノーベル平和賞まで受賞した「核兵器のない世界」のすみやかな実現を図ってください。
  3. 包括的核実験禁止条約(CTBT)をすみやかに批准してください。
  4. 核兵器禁止国際条約締結に向けた多国間交渉をただちに開始すること。
  5. 2015年NPT再検討会議を成功させるため、あらゆる努力をおこなってください。

放射線被害で誤った「知識」をばらまく「政府広報」に厳重抗議し撤回を要求する

2014(平成26)年10月9日
一般社団法人 東友会
代表理事 大岩 孝平

 8月17日、全国紙各紙に「放射線についての正しい知識を」と題する「政府広報」が、全1面を使って復興庁、内閣官房、外務省、環境省の連名で掲載された。
 これは福島第一原子力発電所の事故による、放射線被害に不安を持っている人びとを対象にした講演を紹介したものだった。
このなかに、広島・長崎の原爆被害を引き合いにして次のようなことが書いてある。
 中川恵一東大准教授
「全身に2000ミリシーベルトを浴びた方も多かった広島や長崎でさえ遺伝的影響はなかったと考えられています」。
 レティ・キース・チェム国際原子力機関(IAEA)保健部長
「高い線量の放射線の影響については、広島や長崎の原爆被ばく者の健康調査などにより、多くのことが分かっています。かなり高い線量でない限り、健康への影響は出ないということです」。
 これらの発言はいずれも被爆の実態に合っていない、不正確な内容である。
 遺伝的影響があるかないかは、医学的にも統計的にも未確定である。しかし多くの被爆者は、「自分が被爆したことが子孫の健康に影響していないか」と心配し、被爆者の子や孫たちも、「自分の病気は、親や祖父母が被爆したためでないのか」と不安を抱きつづけている。
 「かなり高い線量でない限り健康への影響は出ない」ということが事実でないことは、被爆後救援活動をした人、黒い雨など放射性降下物をうけた人びとの中に、多数の放射線障害を発症した人びとがいたことをからも明らかである。
 「影響がない」のなら原爆症認定制度が被爆者援護施策に盛り込まれることはなかったはずである。当然、原爆症認定を求める裁判も起きず、裁判所が放射線の後障害について審理し、遠距離被爆者や入市被爆者の疾病を原爆症と認定することもなかったであろう。
 「政府広報」は朝日、読売、毎日、日経、産経の全国紙と、福島県の地方紙2紙と、夕刊紙に掲載され、経費は広告料と講演会費用を含めて1億円もかかったとの新聞報道がなされている。
 国民の税金を使って、こんな誤った「知識」を広報することは全くの無駄遣いである。
 われわれ原爆被爆者は、この「政府広報」を掲載した各省庁に、厳重に抗議するとともに、その撤回を要求する。

 

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