2003年発表の抗議・声明など

アメリカの臨界前核実験に抗議します

2003年9月19日
アメリカ合衆国大統領
 ジョージ・W・ブッシュ 閣下
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
会長 藤平 典

 あなたは9月18日未明(日本時間)、ネバダ核実験場の地下で、通算20回目の臨界前核実験を強行すると発表しました。しかもあなたは、地下貫通型の小型核兵器の開発を進めており、地下核実験の再開を検討しています。
 私たち広島・長崎の原爆被爆者は、これまでも、貴国が臨界前核実験をするたびに抗議してきました。しかし、この願いを無視してあなたがまたも核実験を強行したことに、腹の底からの怒りを込めて抗議します。
 きょうのように、私たちは深い悲しみと怒りをこめて、この場に何度も立ち、貴国にくり返し核実験を中止するよう要請してきました。
 その中心の一人であった東友会の前会長・田川時彦が、7月25日に胆管ガンのため亡くなりました。広島の爆心地付近に原爆投下の数時間後に立ち入り、救援に参加した彼は、下痢、発熱、出血が止まらないという急性症状に苦しみました。そして昨年末、胆管ガンが発見されたときは、すでに肝臓と肺にも転移し、手術もできない状態でした。原爆投下から58年目に、原爆に殺されたのです。
 田川前会長も参加しようとしていた「原爆症」と認定させるための集団訴訟が、東京はじめ全国8カ所の裁判所で、97人の原告によって始まっています。原告の多くは、70歳をすぎ、ガンや甲状腺、肝臓の病気に苦しんでいる被爆者です。
 人生の終わりに立つ原告たちに提訴を決意させたもの、それは、被爆から58年が過ぎた今、みずからの体と被爆の傷をさらすことによって、いまもつづく核兵器の被害を知らせ、核兵器廃絶の力になりたいという切なる思いです。そして、「核兵器が存在する以上、このままでは死ねない」「原子野で殺されていった死没者に合わせる顔がない」という、あの「地獄」を知るからこそ思う被爆者の痛切な願いからです。
 私たちは、人類の未来のために、あなたに要求します。

  1. すべての臨界前核実験を、ただちにやめてください。
  2. CTBTを批准し、核兵器の開発、地下核実験の再開など、核兵器使用につながる核兵器戦略計画を中止してください。
  3. 核兵器廃絶の約束を実行し、核兵器廃絶のための国際条約締結のための行動を開始してください。
  4. あなたの国の人びとに広島・長崎の被害の実態を広く知らせてください。

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イラクへの攻撃を中止し、国連中心に平和を回復してください

2003年 3月25日
アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ様
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
会長 田川 時彦

 ブッシュ大統領。あなたは、3月20日(日本時間)、イラクへの武力攻撃を開始しました。
 攻撃規模は日ごとに激しさを増し、犠牲者が増えています。あの空爆の下で、恐怖におののきながら、身を潜めている女性や子どもたちがいることに、耐え難い悲しみと貴国への怒りを覚えています。私たちはまた、攻撃するアメリカ、イギリスの兵士にも、犠牲者が出ていることに胸を痛めています。戦争は殺しあいです。尊い人命が、次々と奪われていくことを耐え難く思っています。
 私たちは、あなたの国が58年前、広島・長崎に投下した原子爆弾によって、家族、親戚、友人を奪われました。生き残っている私たちも、この間、原爆放射線の後障害と思われる病気と、発病への恐怖に苦しめられつづけてきました。苦しみは薄れるどころか、ますます深まっています。
 私たちはいま、原爆放射線で奪われた健康を、国によって「原爆症」と認定させる裁判を起こそうとしています。昨年からの1年間だけで、53人の東京の被爆者が原爆症認定を申請しました。そのほとんどがガンにかかった被爆者です。しかしそのうちの8人が、既に亡くなくなりました。なかには、母親の胎内にいたとき被爆したために、56歳の若さで、肺ガンで亡くなった人います。昨日24日にも、1人の死亡が届きました。
 原爆投下後に長崎市に入っただけなのに、歯茎からの出血や頭髪が抜けるという急性症状に襲われた人もいます。そして、無惨に変わり果てて苦しみながら亡くなった父親や、長崎の友人たちの姿が忘れられず、自分や子ども、孫への原爆放射線の影響の恐怖に苦しみつづけている被爆者もいます。
 戦争は、そのとき人を殺傷するだけでなく、核兵器が使われたときには、半世紀を超えても、からだとこころ、くらしに後障害がでているという事実を、きちんと知ってください。

 私たち被爆者は、こんな苦しみを、決して誰にも、味わわせたくありません。だからこそ、戦争と、核兵器を、絶対に認めることはできません。
 私たちは、人類と地球の未来のために、原爆によって戦争と原爆で殺された人びとの命の重みを背負って、あなたとあなたの国に要求します。

  1. イラクへの戦争を直ちにやめてください。
  2. 国連を中心に、平和を一日も早く回復してください。
  3. 核兵器被害の実相と戦争の悲惨さを、アメリカ国民に広く知らせてください。

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イラクへの攻撃を中止し、国連中心に平和を回復してください

2003年 3月25日
イギリス首相 トニー・ブレア様
東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
会長 田川 時彦

 ブレア首相。あなたは、3月20日(日本時間)、アメリカとともにイラクへの武力攻撃を開始しました。攻撃規模は日ごとに激しさを増し、犠牲者が増えています。あの空爆の下で、恐怖におののきながら、身を潜めている女性や子どもたちがいることに、耐え難い悲しみと貴国とアメリカへの怒りを覚えています。私たちはまた、攻撃する貴国とアメリカの兵士にも、犠牲者が出ていることに胸を痛めています。戦争は殺しあいです。尊い人命が、次々と奪われていくことを耐え難く思っています。
 私たちは、アメリカが58年前、広島・長崎に投下した原子爆弾によって、家族、親戚、友人を奪われました。生き残っている私たちも、この間、原爆放射線の後障害と思われる病気と、発病への恐怖に苦しめられつづけてきました。苦しみは薄れるどころか、ますます深まっています。
 私たちはいま、原爆放射線で奪われた健康を、国によって「原爆症」と認定させる裁判を起こそうとしています。昨年からの1年間だけで、53人の東京の被爆者が原爆症認定を申請しました。そのほとんどがガンにかかった被爆者です。しかしそのうちの8人が、既に亡くなくなりました。なかには、母親の胎内にいたとき被爆したために、56歳の若さで、肺ガンで亡くなった人います。昨日24日にも、1人の死亡が届きました。
 原爆投下後に長崎市に入っただけなのに、歯茎からの出血や頭髪が抜けるという急性症状に襲われた人もいます。そして、無惨に変わり果てて苦しみながら亡くなった父親や、長崎の友人たちの姿が忘れられず、自分や子ども、孫への原爆放射線の影響の恐怖に苦しみつづけている被爆者もいます。
 戦争は、そのとき人を殺傷するだけでなく、核兵器が使われたときには、半世紀を超えても、からだとこころ、くらしに後障害がでているという事実を、きちんと知ってください。

 私たち被爆者は、こんな苦しみを、決して誰にも、味わわせたくありません。だからこそ、戦争と、核兵器を、絶対に認めることはできません。
 私たちは、人類と地球の未来のために、原爆によって戦争と原爆で殺された人びとの命の重みを背負って、あなたとあなたの国に要求します。

  1. イラクへの戦争を直ちにやめてください。
  2. 国連を中心に、平和を一日も早く回復してください。
  3. 核兵器被害の実相と戦争の悲惨さを、イギリス国民に広く知らせてください。

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