被爆者相談所および法人事務所
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介護施設への入所 入所前に「被爆者の制度」が使えるか確認を

 介護関係の相談が年々増えていますが、最近は介護施設への入所に関する相談が多くなってきました。

介護保険制度の基本

 介護保険制度には被爆者への特別な支援策はなく、国民として等しく扱われます。一方、「被爆者の制度」からの助成によって、自己負担なしに利用できる介護保険のサービスがあります。被爆者が介護施設に入所する場合も基本的な考え方は同じです。

介護施設の種類と性質

 介護施設にはいくつもの種類があります。介護保険制度の医療系サービスや福祉系サービスなどの観点から分類できますし、施設の運営母体の観点から、社会福祉法人や医療法人などが運営する公的な施設と民間企業が運営する民間施設に分類することもできます。その上、施設によって提供しているサービスや費用も多様です。ここでは、「被爆者の制度」が利用できるかどうかを軸に、おもな施設とその概要を表にまとめました。

おもな介護施設の特徴と「被爆者の制度」の利用
(2022年1月現在)
施設の種類 施設の概要 「被爆者の制度」の利用
被爆者手帳を使えるか 介護手当を受給できるか
特別養護老人ホーム(特養) 原則は要介護度3以上が対象。食事、入浴など日常生活の介助を受けながら生活する施設。費用は月額10万円から15万円ほど。地域によっては入所待ちの人が多く、数カ月から数年待つ場合もあるのが現状。 有効
(介護保険のサービスを利用した自己負担分は助成される。食事代や日用品代など介護保険外の費用は助成なし)
不可
(自宅で受ける介護でないため受けられない)
介護老人保健施設(老健) 要介護1以上が対象。病院から退院したあとすぐに自宅で生活することが難しい人が在宅復帰を目指すために入る施設。入所期間は原則として3カ月から6カ月。費用は月額9万円から12万円ほど。
介護療養型医療施設および介護医療院 要介護1以上が対象。医師・看護師が常駐し、疾患からの回復期にある寝たきりの人に医療ケアなどを提供する施設。回復した場合は退去。「介護療養型医療施設」の役割は「介護医療院」や「老健」に順次転換中。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護施設) 65歳以上、要支援2以上で認知症を持つ人が、専門的なケアを受けながら共同生活する施設。原則として、施設のある自治体に住民票を持つ人しか入所できない。
介護付き有料老人ホーム 基本的に介護スタッフが24時間常駐。介護度別の費用を払うことで日常生活に関わる介護サービス全般を受けながら生活できる。主に民間企業が運営し、要介護度5までを受け入れ、看取りまで対応する施設もある。 無効
(施設が提供するサービスに被爆者手帳は使えない)
基本は不可
(自宅扱いにならないので受けられない。ただし、自立型の施設では受給できる場合もある。)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 自立あるいは介護度の軽い人が、見守りと生活相談サービスを受けながら暮らすことができる民間の賃貸住宅。介護度が重い人や認知症が進んだ人は受け入れられない場合もある。 基本は可
(自宅扱いになるので受けられる。ただし、「特定施設入居者生活介護」の指定がある施設では自宅扱いにならず不可の場合がある。)
住宅型有料老人ホーム 比較的介護度が軽い人向きで、自宅のような位置づけで暮らすことができる民間の有料老人ホーム。家族などが訪問して介護することも可能。
(自宅扱いになるので介護手当を受けられる)

いくつかの留意点

 「グループホーム」は、2021年4月から「被爆者の制度」の助成対象になったので被爆者手帳を使えますが、自宅での介護ではないため「介護手当」は受けられません。
 「介護付き有料老人ホーム」は、主に民間企業が運営する施設です。費用さえ出せば手厚いサービスも受けられますが、運営者による私的な介護サービスの提供になるため、基本的に「被爆者の制度」は使えません。ただし、介護保険が使える有料老人ホームのうち混合型の自立棟に入所している場合は、自宅に住んでいるのと同じ扱いにできるため、「一般(他人)介護手当」の対象となる場合があります。
 「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」や「住宅型有料老人ホーム」も被爆者手帳は使えませんが、外部からの訪問介護を受けた場合、「一般(他人)介護手当」の対象となります。ただし、サ高住には特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設もあり、「介護手当」の対象にならない場合があります。

 どの施設でも入所前の下調べが大切です。費用の細目はもちろん、立地や設備、サービス内容、スタッフの対応などを確認しましょう。被爆者手帳を見せ、どの範囲まで「被爆者の制度」を利用できるかといったことも、施設と確認し合ってください。

 介護保険制度はしばしば改定されて内容が変わり、「被爆者の制度」との関係も動きます。不明なことがあれば、東友会までご相談ください。