被爆者健康手帳の申請
証人は無理でもあきらめないで
被爆76年目となり、「被爆者健康手帳」(通称:被爆者手帳)の交付を申請する人は少なくなってきましたが、いまでも被爆者手帳の申請をする人はいます(参考:「東友」2021年7月号の記事)。あらためて被爆者手帳が交付される条件について説明します。
法律上の「被爆者」として
法律的には、被爆者手帳を受けている人が「被爆者」と位置づけられており、被爆者の制度が利用できます。明らかに原爆被害を受けていても、被爆者手帳を持っていなければ、法律上は「被爆者」と認められないのが現状です。
被爆者手帳の申請条件
被爆者手帳を受けるためには、下表にある条件に当てはまることが求められています。申請するとき、申請者がこれらの条件に当てはまることを証明する必要があります。証明方法はいくつかありますが、「2人の証人」というのもそのひとつです。
区分 | 説明 | 広島 | 長崎 |
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1号 | (直接被爆) 原爆投下のとき広島・長崎の指定された地域にいた人 |
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2号 | (入市被爆) 原爆投下から2週間以内に爆心地から2キロメートル以内に入った人 |
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3号 | 1号、2号以外に原爆放射線を身体に受ける状況にあった人 |
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4号 | (胎内被爆) 1号、2号、3号に該当する人(母親)の胎内にいて、次の日付までに生まれた人 |
原爆投下後から1946(昭和21)年5月31日まで | 原爆投下後から1946(昭和21)年6月3日まで |
証明の留意点
被爆から76年を経たいま、2人の証人を探すのは、極めて困難になってきています。次の3つのいずれかがある人は、必ずしも証人をつける必要はありません。
- 当時の罹災証明書、あるいはABCC(現・放射線影響研究所)などの証明書
- 当時の書簡や写真などの記録書類
- 市町村長の証明
これらの証明がない人は、軍歴証明書、在学証明書、当時の住所を証明する物、親族の証言などそろえ、本人が被爆当時のことを詳しく書いた申述書でも申請はできます。
原爆被害を受けながら、被爆者手帳の申請を諦めている人もまだいると思われます。被爆の事実を残していくためにも、被爆者手帳の申請を諦めず、まずは東友会にご相談ください。