被爆者・二世の健康診断
コロナ禍でもできるだけ受診を
2020年度も後半期に入りました。例年は前期(春期)・後期(秋期)に被爆者・被爆二世の健康診断が実施されますが、2020年は新型コロナウイルス感染予防対策の影響をふまえ、東京都は2020年度内(2021年3月15日まで)に限り、通年で健康診断を受診できるようにしました。
しかしながら、健康診断を受けない人が多くなっているようです。新型コロナ感染を懸念してか、受診をためらう被爆者・二世が多くなってしまったこと、医療機関側も密を避けるために不要不急の健康診断受診を断るところが出たことが理由です。ここにきて、健康診断の受診についての相談が増えてきました。医療機関でも、一日の人数制限などをしながらではありますが、健診を再開しているところが増えています。
健康診断の最大のメリットは、病気の早期発見です。とりわけ、進行の早いがんは発見の遅れがそのまま手遅れにつながることもあります。
東京では、2020年度内(2021年3月15日まで)であれば、期間を区切らずいつでも健康診断を受けられます。都合がつく日程を決め、事前に医療機関に相談して、ぜひ受診してください。健康診断を無料で受けられる医療機関は、東京都から3月末に送られてきている「健康診断のしおり」(被爆者)、「健康診断のお知らせ」(二世)に紹介されています。
被爆者・被爆二世の健康診断の検査項目
健診の内容は以下の通りです。
がん検診の項目のなかには事前の予約が必要なものもあり、いまは医療機関もたいへんなので、必ず事前に医療機関に連絡して健診を受けてください。
- 被爆者は、以下すべての項目を受診できます。
- 被爆二世が「一般健診」で受診可能な項目は、被爆者と共通です。
- 被爆二世が「がん検診」で受診可能な項目は、被爆者と共通です。
- 一般検査
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- 基本検査(問診、血液検査、CRP検査、尿定性検査、血圧測定)
- 胸部X線撮影検査:被爆二世は東京都独自の追加項目
- 心電図検査:被爆二世は東京都独自の追加項目
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医師が必要と認めたとき追加で受けられる検査
- 肝機能検査
- ヘモグロビンA1c
- 血清総コレステロール定量検査:被爆二世は東京都独自の追加項目
- がん検査:被爆二世は東京都独自の追加項目
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- 胃がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目
(被爆者本人は、X線検査に替えて胃カメラ検査を選択可。被爆二世は選択不可。) - 肺がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目
(問診および胸部直接X線検査。医師が認めたときは、喀痰細胞診) - 多発性骨髄腫検診
(問診および血清蛋白分画検査) - 大腸がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目
(問診および便潜血検査) - 乳がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目
(女性のみ。問診、視診および触診、乳房X線検査=マンモグラフィ) - 子宮がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目
(女性のみ。問診、視診、内診および頸部細胞診検査。医師が認めたときは、体部細胞診検査およびコルポスコープ検査)
- 胃がん検診:被爆二世は東京都独自の追加項目