健康管理手当 一番受けやすい被爆者の手当
東京都内在住の被爆者の平均年齢は80歳を超えましたが、被爆者の手当を受けられる条件があるのに、今でもいっさい手当を受けていない被爆者がいます。
東友会相談所にも、何か被爆者の手当を受けたいという相談が寄せられます。最近、江戸川区などの地区相談員が連絡をとって説明し、数人の被爆者が「健康管理手当」を受給しました。今回は、被爆者の手当のなかで一番受けやすい「健康管理手当」について説明します。
手当受給の条件
「健康管理手当」を受けられる条件は、指定された11種類の障害(下に表を掲載)に分類されている病気のどれかにかかっていて、医師の治療や経過観察を受けている被爆者です。
申請には、かかりつけの医師に専用の診断書を書いてもらい、申請書類を出します。認められると、毎月3万4770円(2019年度額)の手当が支給されます。
ただし、病気の原因が明らかに、(1)遺伝や生まれつき、(2)伝染病・寄生虫病、(3)事故・中毒などの場合は、認められません。
手当の支給期間
「健康管理手当」は、申請する病名によって、「終身」(更新なしで死ぬまで支給)で受けられる場合と、5年または3年ごとに更新が必要な場合があります(下表を参照)。
現在、更新がある病気で手当を受けている人でも、更新の際に終身の病名で申請しなおすことができます。
申請の書類
はじめて「健康管理手当」を申請する書類、更新期限のない病名で申請しなおす場合の書類は、東友会に連絡していただければお送りします。
健康管理手当を受けたら
被爆者手帳を持っているだけでは利用できない「都営交通無料パス」などが利用できるようになります。
障害名 | 病名 | 支給期限 |
---|---|---|
造血機能障害 | 再生不良性貧血、血小板減少症、白血球減少症など | 終身 |
鉄欠乏性貧血 | 3年 | |
その他の貧血症 | 5年 | |
肝臓機能障害 | アルコール性、ウイルス性を除く肝炎・肝硬変など | 終身 |
細胞増殖機能障害 | すべての部位の悪性腫瘍(がん・白血病など) | 終身 |
内分泌腺機能障害 | 糖尿病、甲状腺機能低下症、甲状腺腫など | 終身 |
甲状腺機能亢進症 | 5年 | |
脳血管障害 | 脳出血・くも膜下出血・脳硬塞など | 終身 |
循環器機能障害 | 高血圧性心疾患・狭心症・心筋硬塞など | 終身 |
腎臓機能障害 | 慢性腎炎・ネフローゼなど | 終身 |
水晶体混濁による視機能障害 | 先天性・糖尿病性を除く白内障のみ | 終身 |
呼吸器機能障害 | 肺気腫・肺線維症など | 終身 |
運動器機能障害 | 変形性脊椎症・変形性関節症など | 終身 |
潰瘍による消化器機能障害 | 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎など | 3年 |
【注意】支給期限が「終身」とされた病名でも、診断書の「※2の疾病に係る病状が固定化しているかどうかについての意見」欄が「1 固定化している」に○がつけられていない場合は、更新が必要になりますのでご注意ください。