介護保険制度の改定 全体的に被爆者の負担が増加

 介護保険の要介護度が「要支援」の被爆者から、「利用料が自己負担になった」との相談が続いています。これは、介護保険制度が改定された影響です。

介護保険制度の大幅改定

 介護保険制度は、定期的に内容の見直しがあり、最近も大幅な改定がおこなわれています。改定された内容によっては、準備期間を経て少しずつ実施されていくものがあります。2018年4月以降に実施されている変更点は、介護保険料の値上げなどいろいろありますが、今回はとくに被爆者への影響が大きいと思われる項目について、概略を説明します。

「介護保険制度」と「被爆者の制度」の基本的な関係
介護保険制度の介護サービスのうち、被爆者も自己負担があるものと被爆者の制度で自己負担がなくなるものがあること、介護保険外の自費サービスは被爆者も全額負担であること、介護保険制度とは別に、被爆者の制度には「介護手当」があることを視覚的に表した図。介護保険制度の改定により、被爆者も自己負担があるサービスが増えたことを示している。

変更が大きい「要支援」

 要介護度が「要支援1~2」のサービスの一部が、介護保険制度から外され、市区町村がおこなう「介護予防・生活支援サービス」に移行されました。
 移行されたサービスは次のとおりです。

 これらのサービスは、被爆者の制度による助成がなくなるため、被爆者も有料になりました。

自己負担割合の増加

 介護サービスを利用したとき、費用の一部を自己負担分として利用者が支払うことになっています。
 その負担割合はこれまで1割か2割でしたが、新しく3割が追加され、2018年8月から実施されます。
 被爆者が介護サービスを利用したとき、被爆者の制度で助成されるサービスは無料になる基本点は同じです。
 しかし、被爆者も利用料を支払う有料サービスでは、所得によっては3割負担になる場合があります。

介護サービスの自己負担割合
年間所得額
(年金収入等含む)
改定前 改定後
340万円以上 2割
(年間所得額280万円以上一律)
3割
340万円未満 280万円以上 2割
280万円未満 1割 1割

介護保険サービスの種類

 介護保険サービスには、「医療系サービス」、「福祉系サービス」、そして「地域密着型サービス」の3種類があります。
 このうち「医療系サービス」は、原則として被爆者手帳で介護サービス利用料は無料になります。

「医療系サービス」の内容 【要介護度を加味】
サービス名 要介護度と被爆者の自己負担有無
要支援1~2 要介護1~5
訪問看護 なし(無料)
「要介護1~5」の条件と同じです。
なし(無料)
介護保険の自己負担分(1割~3割)は被爆者の制度で助成されます。
被爆者手帳が使える施設では、手帳を見せれば支払う必要はありません。
ただし、被爆者手帳が使えない施設では、いったん支払ってから東京都に申請して払い戻しを受けます。
訪問リハビリテーション
通所リハビリテーション(デイケア)
居宅療養管理指導
短期入所療養介護(ショートステイ)
介護老人保健施設入所(老健) 利用できません
介護療養型医療施設入所

注 食事代、居住・滞在費(室料、水道光熱費)、日用品費、汚物処理代など、介護保険の対象外の費用はすべて、被爆者も自己負担が必要です。

 一方、「福祉系サービス」と「地域密着型サービス」は、被爆者手帳を見せれば無料になるサービスと、被爆者も有料のサービスがあります。
 2つの制度の兼ね合いで有料・無料が決まるため、従来もわかりにくかったのですが、要介護度での区別が加わり、サービス名だけで単純に判断するのが難しくなってきています。

 人によって事情や条件は様ざまです。被爆者が介護保険のサービスを利用するとき、わからないことや不安なことがあれば、遠慮なく東友会にご相談ください。

 「東友」は、これまでも介護保険制度と被爆者の制度を説明してきましたが、これからも最新の情報をわかりやすくお知らせしていく予定です。